盆栽の樹形について

自然界で成長樹木の姿はいろいろありますが、盆栽の基本的な樹形は、自然界の樹木を模倣してミニチュアにしたものです。

盆栽作りでは、先人たちによる豊かな体験から作り出された、伝統のある樹形をお手本にしているとステップアップできるでしょう。

それでは、代表的な盆栽の樹形をガイドします。

「直幹」・・・(ちょっかん)幹が真っ直ぐと根元から樹芯部へ伸びている樹形のことです。

周囲に根が張り、上側へ向かうに連れて細くなります。自然環境の整った平坦地で成育する樹木です。

「様子木」・・・(もようぎ)ゆるやかに幹が曲線を描いて伸びています。

「様子」とは幹の折れ曲がりの事で、陽光を浴びる為に建物や他の樹木の日陰を回避したり、風を回避すプロセスで発生ものです。

「斜幹」・・・(しゃかん)幹が倒れたように斜めに伸びています。

山沿いや沿岸の斜面といった、恒常の方から強風が吹付け事で斜めに伸びていった樹形を表したものです。

「ほうき立ち」・・・ほうきを反対にして立てたようなスタイルの樹木です。

真っ直ぐに幹が立ち上がり、何本か途中で分かれて、芯がどれなのか見分けがつかないようないでたちです。

「吹き流し」・・・枝や幹がその一方に流れています。

いつも強風が一定の方面から吹付ける事で、風の吹く方面へ曲折しながら伸びた樹木です。風の当たる側に枝が伸びずに、逆側に伸びていきます。

「懸崖」・・・(けんがい)主枝や幹が鉢よりも下に伸びています。

断崖絶壁等の厳しい自然界の環境で成育し、風や雪等によって、根元から幹が上へ伸びる事ができずに、垂れ下がった樹姿です。

「文人木」・・・(ぶんじんぎ)幹は細く枝の数も少ない、俗離れ的で高潔な感じが漂う樹姿です。